【#1】都内から35分の楽園「新島」で再会する、つめたい夏の記憶

2016.06.15

次の休みは、どこへ行こうか。

遠い地でゆっくり時の流れを感じるのも、近場で気になっていた場所へ足をはこんでみるのもまたいい。

迷ったら、かばんに一冊の本をいれて出掛けてみよう。

主人公に自分をかさねながら、過去の自分に想いを馳せ、本とともにすごす時間は、きっといつもと違う景色をくれる。本が先でも、はたまた目的地を先に決めてもいい。

そこに、読みたくなる場所があるから。

#1/ 都内から35分。コバルトブルーの楽園 "新島"。

東京から南へおよそ160km、面積23.87㎢、人口約2,500人。伊豆諸島のひとつであり、静かで美しい東京の島「新島」。空からおよそ35分、海からなら2時間半

都内からこんなにも近い楽園に、行かない選択肢はもはや、ない。

新島は、温暖な気候から"常春の島"と呼ばれている。なぜ常"夏"ではないのかと疑問に思うところだが、アスファルトから込み上げる、あのうだるような都内の猛暑よりは、海風のおかげで随分とすごしやすいからだと思う。

空と海がまざりあい、真っ白な砂浜が一面に広がるコバルトブルーの楽園。どんなすごし方も受け入れてくれそうな、自然のままの風景。

その美しい海は、サーフィンの世界大会も開催されたほど良質な波に恵まれ、とてもじっとしてはいられないような、アクティビティが充実している。

磯遊び、海水浴、マリンスポーツ、釣り。まるで童心にかえったように、全身で「あそび」を謳歌する大人たちで賑わう海辺。

この広い海岸を眺めていると何だってできそうな気がする。

■ 昔から変わらない風景のなかで、贅沢にすごしたい。

世界的にも珍しい、白くやわらかなコーガ石でできている新島。

コバルトブルーの海であそんだら、散歩道やトレッキングコースをとおって展望台に足をはこぶと、こんどは緑あふれる景色が広がる。

海から徒歩数分のところには利用無料のキャンプ場、大自然をのぞむ露天温泉。そして、美味しい料理とお土産。

どこまでも、非日常を演出してくれる島。

■ 苦く切ない「夏の思い出」に思いを馳せる夜。

日が暮れると、満点の星空が姿をあらわす。

忙しい毎日を忘れ、新島の大自然を全身で感じる。どこか懐かしく、おだやかな時が流れる楽園で大きな波音を聞きながら、大切にしまっておいた"夏の記憶"に浸りたい。

11人の少女たちが体験した夏の思い出を綴った短編集を、読みながら。

あの夏の記憶だけ、いつまでもおなじあかるさでそこにある。つい今しがたのことみたいに――バニラアイスの木べらの味、ビニールプールのへりの感触、おはじきのたてる音、そしてすいかの匂い。

出典: 『すいかの匂い』江國香織著 新潮社

江國香織の『すいかの匂い』(新潮社 2010)は読み進めるうちに、あかるい情景ばかりではない、心の奥にしまっていた暗い闇のような苦い思い出を、自らこじ開けてしまったかのような感覚に陥る。

出来事そのものだけじゃない、匂いまでも鮮明に蘇ってくるような描写の数々。

■ いつまでも色あせない「あの夏」に思いを馳せて。

表情豊かな新島の海。ぼうっとしていると、飲み込まれそうなほど大きくて青い。

"不安になる暗さを持っているのに美しい" この海は、"思いだしたくないのに懐かしくて大切な思い出" と似ている気がする。

コバルトブルーの海を前に、切なさと苦さを含んだ「つめたい夏の記憶」とあえて再会してみないか。

Instagram画像提供/@natsuki_ngdom @wtf_shoudidowithmylife @hytshin @chiko.1015 @jasnopapa @uematsusou

text : by.S編集部

Edited by by.S 編集部

女性の美しさを後押しする"ファッション・美容"情報をお届け。

Recommend